こんにちは、Dr.流星です。
「授業中ずっと座っていられない」「いつもソワソワして動き回っている」など、お子さんの落ち着きのなさで悩んでいませんか?
「自分の育て方のせい?」「もしかして何かの病気や障害?」と不安になる保護者の方は決して少なくありません。毎日子育てに一生懸命だからこそ、周りからの見え方やお子さんの将来のことが気になってしまいますよね。
結論からお伝えすると、お子さんの「落ち着きのなさ」について悩んだときは、次の3つのポイントを意識することが解決への近道です。
① すぐに「病気」と決めつけない
実は、小学校低学年でも集中力が続く時間はわずか15分程度です。まずは睡眠不足や環境からのストレスがないか、生活習慣を見直してみましょう。
② 感情的に叱るより「環境」と「伝え方」を変える
気が散りやすい物を隠すなど環境を整え、「ダメ」ではなく「〜しよう」と具体的に伝えることで、子どもはグッと行動しやすくなります。
③ 決して一人で抱え込まず、専門機関を頼る
家庭だけで解決しようとせず、地域の保健センターや子育て支援センターに相談して、専門的なサポートの輪を広げることがとても大切です。
この記事では、年齢別の集中力の目安から、発達障害(ADHDやASD)との見極め方、そして家庭でできる具体的なサポート方法までをわかりやすく解説します。
お子さんにぴったりの対応のヒントとなれば幸いです。ぜひ最後までお読みください。
1. 「普通」の子どもの集中力ってどれくらい?
大人は「学校の授業時間くらい、じっと座って聞いてほしい」と思いがちですが、脳科学や教育の分野では、子どもの集中力が続く時間は「年齢×2〜3分」程度だと言われています。
未就学児なら「年齢+1分」程度で、5歳でも6分ほどしか集中できないのが一般的です。小学校低学年でも、集中力の波は約15分周期でやってくるとされています。
つまり、「少し時間が経つと気が散る」というのは、子どもの脳の発達段階から見ればごく自然なことであり、すぐに病気と結びつける必要はありません。
2. 一時的な「落ち着きのなさ」を引き起こす原因
もともとの特性ではなく、日々の環境や体調が原因で「疑似的な多動」になっていることもあります。
睡眠不足の影響
大人は寝不足だとウトウトと眠くなりますが、子どもは疲労を吹き飛ばそうと神経が過剰に興奮し、逆に「多動」や「衝動的」な行動として現れることがあります。
ストレスや環境の変化
子どもは言葉で「ストレスが溜まっている」と伝えるのが苦手です。そのため、新学期やクラス替えなどの環境の変化による不安が、チック症状(無意識のまばたき等)、夜泣き、腹痛、そして落ち着きのなさといった「身体や行動のサイン」として表に出ることがよくあります。
3. 発達障害(ADHD・ASD)のサインと見極め方
十分な睡眠や休息をとっても落ち着きがない状態が半年以上続き、学校や家庭など複数の場所で生活に支障が出ている場合は、発達障害の可能性が考えられます。
ADHD(注意欠如・多動症)
生まれつき脳内の神経伝達物質(ドーパミンなど)の働きに偏りがあるため、「じっとしていられない(多動性)」「順番が待てず思いつきで行動する(衝動性)」「忘れ物が多い(不注意)」といった特徴がみられます。また、大好きな遊びやゲームには声をかけても聞こえないほど過剰に集中するのに、宿題には全く集中できないといった極端な落差も特徴の一つです。
ASD(自閉スペクトラム症)と「感覚の偏り」
ADHDではなく、ASDの特性が原因で落ち着きがなくなるケースもあります。ASDのお子さんは、特定の音や光、服のチクチクした感触などを激しい苦痛に感じる「感覚過敏」を持つことがあり、その不快感からパニックになって暴れたり逃げ出したりします。 逆に、刺激を感じにくい「感覚鈍麻」のお子さんは、自分の脳を覚醒させて安定させるために、自らぐるぐると回ったり、高いところに登ったりして強い刺激を求める「感覚探求」という行動をとることがあり、これが外見上は多動のように見えるのです。

4. 家庭でできるサポートと接し方のコツ
もしお子さんに発達の特性があった場合、周囲の大人が一番避けたいのは「何度も叱責されて子どもが自信を失ってしまうこと」です。
「ダメ!」ではなく「〜しようね」と具体的に伝える
「走らないで!」という禁止の言葉ではなく「お部屋の中は歩こうね」と伝えたり、「ちゃんとして」という曖昧な言葉ではなく「おもちゃを箱にしまってね」と伝えたりするなど、どう動けばいいのかを肯定的な言葉で具体的に指示すると、子どもは理解しやすくなります。
刺激を減らして環境を整える
気が散りやすい子には、本人の意志や努力に任せるのではなく、物理的な環境を変えることが効果的です。机の上に余計なものを置かない、外の景色が見えないようカーテンを閉めるなど、目や耳に入ってくる情報を減らしてあげましょう。
まとめ:悩んだときの3つの結論
お子さんの「落ち着きがない」行動に悩んだら、以下の3つの結論を心に留めてみてください。
① すぐに「病気」と決めつけず、まずは生活習慣を見直す
子どもの集中力はもともと短いものです。まずは睡眠時間はしっかり足りているか、プレッシャーやストレスを抱えていないかを確認し、家庭をリラックスできる安全な場所に整えてあげましょう。
② 感情的に叱るより「環境」と「伝え方」を変える
「何度言ったらわかるの!」と叱り続けると、子どもの自尊心が傷つき、将来的にうつ病や適応障害といった二次的な問題を引き起こすリスクが高まります。お子さんの性格を責めるのではなく、集中しやすいよう物理的な環境を整え、小さなことでも「できたこと」をしっかり褒めてあげることが成長への一番の薬です。
③ 決して一人で抱え込まず、専門機関のサポートを頼る
家庭での工夫だけで行き詰まりを感じたら、お住まいの市区町村にある保健センターや子育て支援センターへ気軽に相談してみてください。必要に応じて、専門の医療機関や、児童発達支援センターでの療育(専門的なサポートプログラム)など、その子にぴったり合った支援のネットワークへとつないでもらうことができます。もちろん、近くに専門の医療機関があれば直接予約を取ることも可能です。
子どもたちの「落ち着きがない」行動の裏には、必ず何かしらの理由やSOSのサインが隠れています。お子さんの見ている世界を少しだけ想像し、焦らずに一歩ずつサポートの輪を広げていきましょう。


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