年齢別にみる子どもへの愛の示し方(0~6歳編):親からの「愛」は子どもの心の発達に大きく影響する。子どもに愛、伝えていますか?

はじめに

こんにちは、Dr.流星です。

突然ですが、みなさんは自分の子どもへ「愛」を伝えていますか?

子どもに対する十分な愛情表現は、脳の発達や自己肯定感の形成に極めて重要です。親からの暖かい愛情と言葉かけは、子どもの健康や幸福に将来まで影響することが研究で示されています。

親の無条件の愛情やスキンシップ、優しい声かけによって子どもは安心感を得てストレスホルモンが抑制され、幸せホルモン(セロトニンやオキシトシン)が分泌されるため、脳の健全な発達が促されることがわかっています。

特に人生の早期に愛情豊かに育った子どもは、高い自己肯定感良好な行動面の傾向を示し、逆に愛情不足の子どもは自己肯定感が低く、攻撃的・反社会的になりやすいことも報告されています。

本記事では、子どもの発達段階を5つの年齢層に区分し、母親父親それぞれの立場から、愛情を伝える言葉と行動の具体例をご紹介していきます(執筆しながらだいぶ長くなってしまったので2つの記事に分けようと思います)。また、愛情表現が脳や自己肯定感に及ぼす影響、そして愛情が不足したり不適切な言動をとった場合の悪影響についても、科学的な知見に基づいて述べていきたいと思います。

「こうしなさい」「こうしないとダメ!」といった内容ではなく、「なるほど、ちょっと取り入れてみようかな」と何かみなさんの子育てのヒントになるようなことがお伝えできたらなと思っています。それでは、みていきましょう!

目次

生後間もない乳幼児期は、親子の愛着形成が最も重要な時期です。赤ちゃんは親との関わりを通じて基本的信頼感を育み、脳は爆発的に発達します。親が抱っこしたりあやしたりする中で愛と信頼の絆が形成され、それが子どもの社会的・情緒的発達の土台となります。この時期、母親は授乳やお世話を通じた密接な関わりで、父親は積極的な参加と遊びを通じて、それぞれ愛情を表現できます。

母親からの言葉での伝え方

柔らかい声で話しかける

明るい声や優しい声を心がけて話しかけます。例えば、おむつ替えの際に黙々と作業をするのではなく、「気持ちいいね」「すっきりしたね」などと落ち着いて声をかけ、安心感を与えようにすると、赤ちゃんが母親の声を聞いたときに気持ちが落ち着きやすくなります。

愛情を言葉にして伝える

毎日「大好きよ」「生まれてきてくれてありがとうね」などと愛情の言葉を伝えることで、赤ちゃんは言葉の意味は分からなくても、母親の声色から愛情を感じ取っています。笑顔やスキンシップも付け加えましょう。

赤ちゃんが「あー」「うー」と発したらそれを真似して返す

いわゆる、サーブ&リターンのやりとりです。赤ちゃんの発声にそのまま答えてあげることでコミュニケーションの回路が強化され、言語の発達と愛着形成につながります。スキンシップもあるといいでしょう。

泣いているときは特に優しく話しかける

泣いているときには「ママがいるよ」「大丈夫だよ」と繰り返し、優しく語りかけて安心させます。「なんで泣くの!」「もう知らない!」などと決して強い口調をぶつけず、親が落ち着いて声をかけることが重要です。母親の穏やかな声は赤ちゃんを落ち着かせ、親への信頼感を育みます。

母親からの行動での示し方

スキンシップをたっぷり取る

授乳中に目を合わせて微笑みかけたり、入浴後に肌と肌を触れ合わせてマッサージするなど、肌の触れ合いは愛情を直接伝える行動です。こうしたスキンシップによりオキシトシン(幸せホルモン)が分泌され、親子の絆が強まります。

泣いたときの対応を迅速にする、一貫する。

すぐに抱き上げてあやすなど、要求に一貫して応えることで「困っているときに助けてもらえる」「自分は助けられて(愛されて)いい存在なんだ」という安心感を与え、基本的な信頼感(Eriksonの第一段階)を築きます。このような応答的な関わりの欠如は脳に有害なストレス反応を引き起こすため、できる限り泣きっぱなしにしない、時にはあやして時には放っておくと毎回違う対応をしないことが重要です。

抱っこやハグを習慣にする

日本では恥ずかしがる方もいますが、眠る前や起きたとき、喜ばしいときなどにギュッと抱きしめ、「安全基地」としての安心を与えます。親の存在が安全基地となることで、子どもは安心して周囲を探索できるようになります。

「一緒に」遊ぶ

いないいないばあ、指遊び、ガラガラを振ってあげるなど、赤ちゃんが喜ぶ遊びを通じて笑顔や喜びの声を引き出します。独りで遊ぶよりもパパ・ママと一緒に遊ぶことで刺激が増え、赤ちゃんがした行動に対して反応があるたけで、一層脳の回路が刺激され、情緒の発達にも役立ちます。

父親からの言葉での伝え方

この時期は母親も父親もあまり役割は変わりませんが、仕事などで日頃関わる時間が少ない父親と仮定して考えてみましょう。

積極的に話しかける

仕事から帰宅後に赤ちゃんを抱いて「パパだよー」「今日もかわいいね」と語りかけることで、父親の声を覚えさせ親しみを持たせます。もちろん、父親の声も赤ちゃんにとっては大切な刺激であり、安心できる声として学習させます。

気持ちを考えた言葉を投げかける

「大丈夫?お腹すいたかな?」などと赤ちゃんの気持ちを代弁する言葉を投げかけてみましょう。これは赤ちゃんに共感しようとする姿勢を示し、情緒の安定に役立ちます。また、親にとっても赤ちゃんの行動を理解する練習になります。

称賛や歓声を惜しまない

赤ちゃんが初めて寝返りをした、つかまり立ちした、といった瞬間に「すごいぞ!」「やったね!」と大げさなくらい喜びの言葉を伝えると、赤ちゃんも嬉しい雰囲気を感じ取ります。父親のリアクションの大きさが赤ちゃんの自信につながることもあります。また、反応してくれる人が多いことは赤ちゃんの発達にとってプラスになります。

絵本の読み聞かせで優しい声を聞かせる

父親も是非読み聞かせをしましょう。特にママと違った読み方で抑揚をつけたり声色を変えたりしながら読むと「パパの声は楽しい!」と楽しみながらも安心し、集中力も養われます。も効果的で、子どもは父親の歌声で情緒が安定し、音の楽しさを感じるようになります(音楽への親しみは脳の発達にもプラスになります)。

父親からの行動での示し方

育児への積極参加を行動で示す

おむつ替えや沐浴を父親も担当し、赤ちゃんのお世話に関わることで愛情を伝えます。「パパも自分を世話してくれる」という経験が、父親への愛着形成につながります。これは男女を区別しているわけではなく、「父親像」と「母親像」をかけ離れたものにしないための、いわば「差」を無くすためにも必要なことです。また、口だけを出すと夫婦間の関係にも影響するので、必ず行動で示すようにします。

(軽い)遊び相手になる

父親は母親に比べてダイナミックな遊びをしがちですが、0〜2歳では安全に配慮しつつ高い高いや飛行機ブーンなど適度な身体遊びをします(パパが遊びで真に活躍するのは3歳以降!)。研究によれば、父親は母親と比較して幼い子どもに身体的な遊びをする傾向があり、これが子どもの感情コントロール能力の発達を助ける可能性があります。無理のない範囲で一緒に遊ぶことは、父親なりの愛情表現です。

寝かしつけや抱っこをする

母親だけでなく父親も夜の寝かしつけを担当したり、泣いたときに抱き上げてあやします。男の子、女の子に関わらず、父親に抱かれて、またはくっついて眠る経験は、「お父さんに守られている」という安心感を母親とは違う感覚で赤ちゃんに与えます。寝る時や怖がって泣いているときは積極的に安心感を与えてあげましょう。

日課として触れ合う時間を作る

ママのところでも触れた、スキンシップをとる重要性は父親でも変わりません。例えば、毎朝出勤前に5分抱っこして触れ合ったりハイタッチをする、夜はお風呂に一緒に入る、など父子の触れ合う習慣を持つことで、少ない時間でも密な愛情表現ができ、赤ちゃんは父親を「安全基地」として認識し、愛着が深まります。

コラム : 乳幼児期の愛情表現と効果
乳幼児期における両親の愛情深い言葉かけやスキンシップは、脳の配線を強化し健全な発達を促すとされています。例えば、親が赤ちゃんの働きかけに一貫して応じる「サーブ&リターン」の豊かなやり取りは、子どもの脳に強固な神経回路を築き、言語や社会性の土台となります。抱っこや優しい語りかけにより赤ちゃんのストレスが減少し、情緒の安定にもつながります。一方で、泣いている赤ちゃんを長時間放置するなど愛情不足な対応は、脳に有害なストレス反応を引き起こし発達を阻害する可能性があります。この時期に十分に愛され安心感をもった子は、後の自己肯定感の基盤となる「自分は大切にされる存在だ」という感覚をしっかりと築くのです。


3〜6歳は、言葉を獲得し自我が芽生える時期です。好奇心旺盛で「なんで?」が増え、自分でやりたい気持ち(自立心)も強まります。一方、まだ感情のコントロールは未熟で、かんしゃくを起こしたり甘えてきたりと情緒は揺れ動きます(イヤイヤ期)。

親の愛情ある関わりが、子どもの挑戦心(エリクソンの「自主性 vs. 罪悪感」の段階)を支え、自己肯定感を育む上で非常に重要です。また、この頃から母親と父親の愛情表現の違いが子どもにとって真の意味を持ち始めます。母親は引き続き細やかなケアや共感を通じて、父親は遊びや励ましを通じて、それぞれの愛情を伝えることができます。

母親からの言葉での伝え方

努力や良い行動を具体的にほめる

「偉い!」「すごい!」と称賛することはもちろん大切ですが、それだけではなく、「自分でお片付けできて偉いね!」「一生懸命がんばったの見てたよ!」とプロセスや努力に注目して声をかけます。結果より過程を認めることで、子どもは挑戦する意欲と自己肯定感を高めます。無理に大げさに褒める必要はありませんが、子どもの良いところを見つけて細かく言葉にする習慣が大切です。慣れてきたら「ボールを黄色い箱に入れようねって言ってたのを覚えててくれたんだね。お兄ちゃんになってる~!ママ嬉しいよ!」などと習慣にしてほしいことができていたときは、細かく褒めながらそれがいい習慣であることをはっきりと伝えます。

感情に寄り添う声掛けをする

泣いたり怒ったりしたとき、「お菓子を落として悲しかったね」「上手くできなくて悔しかったね」と子どもの気持ちを代わりに言葉にして声掛けをします。感情を言語化して共感することで、子どもは「わかってもらえた」と安心し、自分の気持ちを表現する力も育ちます。

愛情を日常的に伝える

子どもに「言わなくても分かる」ことはなく、はっきりと言葉で愛を伝えます。「ちゃんと言ってくれなきゃ、わからないよ!」というやつです。毎晩寝る前や朝保育園に送り出すときなど「大好きだよ」「いつもあなたのことを考えているよ」と伝えます。スキンシップとセットでハグしながら「大好き~!」と伝えるのも効果的です。

励ましと安心の言葉

新しいことに挑戦するとき「やってごらん、ママも近くで見てるから大丈夫だよ」と背中を押す言葉をかけます。何かに失敗した時も「失敗しても全然いいんだよ。また挑戦しようね!」と肯定的に受け止めることで、安心して挑戦する心を育てます。「ママがいるから頑張れる。安心だ」と子どもが思うことは愛着形成にとても深い意味をもちます。

生活習慣の声かけを愛情表現に

トイレトレーニング中なら「トイレでおしっこできたね!すごい!」、着替えを一人で頑張っていたら「一人でお着替えできた~!お兄ちゃん(お姉ちゃん)だね~!」など、日常生活の成長を認める声かけをします。これらは日々の愛情メッセージとなり、子どもの自己効力感を高めます。もちろん、できなくても「ママがお手伝いしてもいい?」「ここをこうしたら……ほら、できた!やったね!」と本人の挑戦を邪魔しないようにフォローします。

母親からの行動での示し方

抱きしめる・スキンシップをとる

これはこの時期にも引き続き重要です。転んでケガをしたときに優しく抱きしめる、朝起きたときやおやすみの前にハグするなど、幼児は小さなスキンシップでも強い安心感を得ます。ただし、「嫌だ」というときは無理強いせず、子どもの意思を尊重しつつ、タイミングを計りましょう。受け入れてくれたときにはしっかり愛情を行動で伝えます。

母親と一緒に遊ぶ時間を作る

ままごと、ブロック遊び、絵本の読み聞かせ、外遊びなど、子どもが興味を持つ遊びに母親も付き合います。ただ見守るだけでなく共に笑い共に創造することで、「ママといると楽しい、安心する」という経験を積ませます。遊びを通じた愛情は子どもの社会性発達にも寄与します。遊びの中で母親から得た言動を子ども(特に女児)は保育園や幼稚園でも真似るため、周囲との関係性にも影響すると言えるでしょう。

生活の世話を愛情深く

食事を作っているときに「今日は好きなウインナーを入れたよ」などと話しかけたり、オムツを替えるときに「すべすべお肌になるようにクリームぬりぬりするね」と伝えたり、日常の世話の中で「あなたのためにママは頑張ってるよ」を行動で示します。忙しい時でも「あなたは特別」「あなたのために」と分かる対応が大事です。この時期までは「自分のことをママが考えてくれている」という喜びや安心を感じてもらうことを優先し、恩着せがましくても大丈夫です。ただし、できる限り兄弟・姉妹間で差が生まれないように配慮します。

小さな作品や頑張りでも大切に扱う

子どもが描いた絵や作った工作を飾ったり、「あとでパパにも見せようね」と言って大事に保管したりする行動は、「自分のやったことをママが喜んでくれている」という愛情のフィードバックになります。どんなに雑でもちょっとした作品でもその過程や努力を評価し、大切にします。そうすることで子どもは自分の存在価値を実感し、自己肯定感を高めます。決して乱雑に扱ったり、すぐに捨てたりしないようにしましょう。

叱るときも愛情を伝える態度で

いたずらや危険な行動を叱る場面でも、「ダメでしょ!」と怒鳴りつけるだけであったり、「もう知らないからね
!勝手にしたら!」と突き放したりせず、安全を確保してから目線を合わせて真剣に諭します。「あなたが大事だから注意しているのよ」「ケガをしたらママもとっても悲しいんだよ」という気持ちが伝わるように穏やかなトーンを心がけ、できるだけ優しい言葉を選びます。叱った後はフォローのハグや優しい一言を添えて、「嫌いで叱るのではない」ことを示します。

父親からの言葉での伝え方

興味・関心を言葉にする

「今日は幼稚園で何したの?」「この絵、上手だね!これは何を描いたの?」など、子どもの話や作品に積極的に質問し、興味を示します。子どもは自分のことを知りたがってくれる父親の言葉に喜び、「自分はパパにとっても大事な存在だ」と感じます。この時期は大げさでもいいので関心を持つことが一番大切です。

遊びの中でも挑戦を褒める

高いところからジャンプした、鉄棒で前回りができた等、身体を動かした遊びでできたことに「そんなこともできるの!?」「やるじゃん!すごい!」と声をかけます。父親からの称賛は子どもにとって格別で、自信につながります。特に「パパは強い、かっこいい」と思っている子どもほど、褒められる意味合いが強くなります。失敗して落ち込んでいるときも「やってみようと思ったことが偉いよ!」「次も挑戦してみようね」と励まし、向上心を支えます。

ユーモアを交えて愛情表現

ふざけながら「パパは○○のこと大好きなんだけどなぁ~?」「パパともっと遊ぼうよ~」と言うなど、遊びの延長で愛情の言葉を伝えます。冗談交じりでも愛しているというメッセージを込めることが大切で、子どもは笑いながらも父親の愛情を感じ、楽しい記憶と愛情が結びつきます。そうすることで「パパと遊ぶと嬉しい、楽しい!」と、子どもは楽しみながら自己肯定感が高まり、父親と遊ぶことがさらに好きになるなるという好循環が生まれます。

努力(過程)を認める言葉を伝える

たとえば、自転車の練習を頑張っている子に「毎日練習して偉いぞ」「がんばっててかっこいいね!」と声をかけたり、パズルに集中しているときに「おぉ、今の難しかったけど、よくわかったね」「もしかして最後まで一人でできるの?すごい!」と感心してみせます。過程を評価する父親の言葉は、結果だけを見てしまいがちな子どもにとって「見てくれている」という安心感をもたらします。この時期は少しオーバーに褒めても素直に喜んでくれるので、多少演技的でもいいので褒めまくりましょう。

愛情や励ましをストレートに伝える

幼児期であれば「パパも○○ちゃんのこと大好きだよ(愛してるよ)」とぎゅっと抱きしめながら伝えれば、子どもは素直に受け取ります。日頃から「パパはいつでも○○の味方だよ」など励ましの言葉を伝えておくのも良いでしょう。子どもが恥ずかしがるようになっても、やはり愛を言葉ではっきり伝え続けることが望ましいです。父親は恥ずかしさや照れもあって「言わなくてもわかるだろう」と考えて言葉にしない傾向にありますが、逆にこの時期の子どもには「言わなければ伝わらない」のです。

父親からの行動での示し方

身体を使った遊びに付き合う

さて、これは父親の特権とも言えるかもしれませんが、体力を使う遊びは積極的に付き合いましょう。公園で一緒にかけっこ、ボール遊び、肩車や高い高いなど、父親ならではのダイナミックな遊びは子どもの情緒や自己抑制力の発達に役立つとされています。ケガや事故には配慮しつつ、思い切り遊んであげることで、子どもは「パパと遊ぶのは楽しい!」と感じ、愛情を受け取ります。仕事や家事で疲れている中でも、子どもにとっての「父親に頼ってもいいんだ」「パパは強くてかっこいい!」などのイメージ(父親像)がいい方向で形成されるように頑張りましょう。もちろん、無理は禁物です。

手伝いを通じて家族の一員として認める

毎日の家事以外でも、「手伝い」を通じて親子関係を強化できます。例えば、週末の洗車を一緒にする、庭いじりを見せる、エアコン掃除の助手を任せるなど、父親があえて子どもに役割を与えることも愛情表現の一種です。「一緒にやろう」と誘い、子どもは遊び感覚で参加したとしても、できたら感謝したり褒めたりすることで、子どもは父親に頼られる喜びを感じます。家族の一員として認めることは、子どもの自己重要感を育みます。幼少期からこういった習慣をつけておくことで、自然と「パパやママを手伝おう」という意識が育まれます。

行事や発表会への参加

幼稚園や保育園の運動会、発表会、地域のイベントなどに父親もできる限り参加します。客席から手を振ったりビデオを回したりしている姿を見つけると、子どもは安心と誇らしさを感じます。「パパが見に来てくれた」という経験が子どもの心に残り、その後の自尊心を高めます。早い内から予定を確認して、有給を使う計画を立てておくといいでしょう。また、兄弟姉妹で参加に偏りがないように注意します。

安心させる行動を積極的にとる

夜、子どもが怖がって寝付けないときに一緒に部屋にいて落ち着かせる、「パパが守るから大丈夫」と言って隣で寝てあげるなど、父親がそばにいて守ってくれる行動は大きな安心につながります。日頃厳しくしつける役割が多い父親でも、こうした優しさを見せることで深い愛情を伝えられます。

妻(母親)を大切にしている姿を見せる

父親が母親に優しく接したり家事育児を手伝ったりする姿も、子どもにとっては「パパは家族を大事にしている」という愛情のモデルになります。家族全体に向けた愛情深い行動を見ることで、子ども自身も愛情の示し方を学んでいきます。男の子は父親の行動を模範にして女性に優しくすることができるようになり、女の子は女性に優しくする父親により愛情を感じるようになるでしょう。

コラム : 未就学での愛情表現と効果
未就学児は自己主張が出てくる反面、まだまだ親の愛情を全身で求めています。豊かな言葉がけと遊び・スキンシップによって、子どもの言語能力や社会性、創造性が伸びるだけでなく、「自分は愛されている」「認められている」という自己肯定感の芽が育ちます。常に親が干渉しすぎたり(例:「それはダメ!」と否定ばかりする、挑戦を遮るなど)、逆に全く関心を示さなかったりすると、子どもは自己表現に自信を持てなくなったり不安定な情緒を示したりします。この時期にたくさん褒め、抱きしめ、対話する親子関係は、脳の前頭前野の発達を助け将来の自己コントロール力を高めるといわれています。反対に、感情的な叱責や長時間の無視は不安感を募らせ、脳の発達にもマイナスとなり得るので注意が必要です。つまり、この時期の自己肯定感が社会性の基礎をつくると言ってもいいでしょう。

親から子どもへの愛情表現は、年齢とともに形を変えつつも生涯にわたって子どもの発達と幸福の基盤となります。母親・父親それぞれが、自分の関わり方を見直し、言葉と行動で愛情を伝える工夫をすることで、子どもは健やかな脳の発達と豊かな自己肯定感を育んでいくでしょう。ここで挙げた具体例や科学的知見を参考に、ぜひ日々の子育てを振り返ってみてください。愛情あふれる言葉と行動の積み重ねが、親子双方にとってかけがえのない財産となり、子どもの将来に明るい光を灯すはずです。

まとめながらどんどん長くなってしまいました。。。当初はもっと簡潔にまとめるつもりだったのですが、今回は6歳(未就学児)までの内容で一旦終わろうと思います。小学校以降の「愛の示し方」についてはまた別記事でまとめていきたいと考えています。

参考文献・情報源

Ainsworth, M. D. S. (1979). Infant–mother attachment. American Psychologist, 34(10), 932–937.

Bowlby, J. (1988). A secure base: Parent-child attachment and healthy human development. New York, NY: Basic Books.

Chapman, G. D., & Campbell, R. (2012). The 5 love languages of children: The secret to loving children effectively. Chicago, IL: Northfield Publishing.

Chen, Y., Kubzansky, L. D., & VanderWeele, T. J. (2019). Parental warmth and flourishing in mid-life. Social Science & Medicine, 220, 65–72.

Coffey, J. K., Xia, M., & Fosco, G. M. (2022). When do adolescents feel loved? A daily within-person study of parent–adolescent relationships. Emotion, 22(5), 861–873.

Escalante, A. (2019, February 26). Parents’ love goes a long way: New research links affectionate parents with a happy and flourishing adulthood. Psychology Today. https://www.psychologytoday.com/us/blog/shouldstorm/201902/parents-love-goes-a-long-way .

Harlow, H. F. (1958). The nature of love. American Psychologist, 13(12), 673–685.

National Scientific Council on the Developing Child. (2004). Young children develop in an environment of relationships (Working Paper No. 1). Cambridge, MA: Center on the Developing Child, Harvard University.

佐々木 正美 (1998). 『子どもへのまなざし』. 東京: 福音館書店.

Show your children they are loved. (2021, January 27). The Family Institute at Northwestern University. https://www.family-institute.org/behavioral-health-resources/show-your-children-they-are-loved

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この記事を書いた人

Dr.流星 – 現役の精神科医であり、父親として日々子育てに奮闘中。
「科学的根拠に基づいた育児」をテーマに、子どもの心と脳の発達、メンタルケアについて情報を発信しています。現役パパだからわかる子どもの発達に関するリアルな悩みに寄り添いながら、家庭で実践できるヒントも紹介。ガジェット好きでもあり、育児に役立つ家電や子育てグッズを色々と試しています。子育ての悩みを軽減し、家族のメンタルヘルスを良好に保つ…そんな子育てに役立つ知識をお届けしていきます。

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