MENU

3歳・4歳・5歳の昼寝はいつまで必要?年齢別の目安とやめるタイミングを精神科医が解説

こんにちは、Dr.流星です。

「3歳になったけれど、まだ昼寝は必要?」

「4歳でも毎日昼寝をしているけれど大丈夫?」

「5歳になったら昼寝はやめた方がいい?」

子どもの昼寝をいつまで続けるべきか、悩む保護者は少なくありません。

実は、昼寝が必要なくなる時期には個人差があり、年齢だけで判断する必要はありません。

今回は、3歳・4歳・5歳の昼寝の目安と、卒業するタイミング、家庭での対応方法を医学的な研究をもとに解説します。

目次

結論からいうと、子どもの昼寝は3〜5歳頃に徐々に必要なくなることが多く、全員が同じ年齢でやめる必要はありません。

3歳ではまだ昼寝が必要な子どもも多いですが、4歳頃から昼寝をしなくなる子が増え、5歳では昼寝をしない子が多数派になります。

実際に、世界各国の研究をまとめたシステマティックレビューでは、5歳頃までに約94%の子どもが昼寝を卒業していたと報告されています。

日本の子どもは何歳まで昼寝をしている?

日本の保育園児967人を対象とした研究では、休日に昼寝をする割合は以下のとおりでした。

  • 3歳:約53%
  • 4歳:約28%
  • 5歳:約9%

この研究でも、年齢が上がるにつれて昼寝をする子どもが減っていることがわかります。

ただし、これは特定の保育園児を対象とした調査結果です。すべての日本の子どもに当てはまる数字ではありません。

大切なのは、周囲の子どもと比較することではなく、その子自身に昼寝が必要なのかを見極めることです。

我が家では4歳5カ月頃まで昼寝をしていました。もちろん、その後も日によっては昼寝をしていました。

3歳|昼寝が必要な子どもも多い時期

3歳は、昼寝を必要とする子どもと、昼寝をしなくても過ごせる子どもに分かれ始める時期です。

午前中は元気でも、午後になると眠そうになったり、夕方に疲れて機嫌が悪くなったりする場合は、まだ昼寝が役立つ可能性があります。

一方で、夜に十分眠れており、日中も元気に活動できているのであれば、毎日昼寝をする必要はありません。

3歳だからといって、無理に昼寝をさせなくても大丈夫です。

4歳|昼寝の卒業を検討する時期

4歳になると、昼寝をしなくても夕方まで元気に過ごせる子どもが増えてきます。

この時期に注意したいのが、昼寝によって夜の就寝時間が遅くなっていないかという点です。

例えば、保育園で2時間の昼寝をした結果、夜22時を過ぎてもなかなか眠れない場合は、昼寝の時間が長すぎる可能性があります。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、4〜5歳以降は昼寝の必要性が低下し、昼寝によって夜の寝つきが悪くなる可能性が指摘されています。

ただし、4歳でも昼寝が必要な子どもはいます。年齢だけで一律に昼寝をやめる必要はありません。

我が家では、昼寝をしていた時期は21時就寝、昼寝をしなくなってからは20時就寝にしていました。

5歳|昼寝をしなくても過ごせる子どもが多い時期

5歳頃になると、多くの子どもは夜の睡眠だけで必要な睡眠時間を確保できるようになります。

そのため、昼寝をすることよりも、夜に十分な睡眠時間を確保することが重要になります。

特に、小学校への入学を控えた時期には、朝の起床時間に合わせて生活リズムを整えることも大切です。

ただし、5歳でも日中に強い眠気が出る場合は、昼寝をすぐにやめるのではなく、夜の睡眠時間が不足していないかを確認しましょう。

朝がしっかり起きられるか、日中に眠そうにしていないかなど、日ごろの様子をよく観察しましょう。

昼寝を続けるかどうか考える際に、最も重要なのは1日の合計睡眠時間です。

米国睡眠医学会は、3〜5歳の子どもには、昼寝を含めて1日10〜13時間の睡眠を推奨しています。

これは、厚生労働省の睡眠ガイドでも紹介されている目安です。

例えば、以下のような睡眠パターンが考えられます。

昼寝をしない場合

夜20時30分に寝て、翌朝7時に起きると、睡眠時間は10時間30分です。

夜の睡眠だけで推奨される睡眠時間の範囲に入っています。

昼寝をする場合

夜21時に寝て、翌朝7時に起きると、夜間の睡眠時間は10時間です。

さらに昼寝を1時間すれば、合計11時間になります。

どちらも睡眠時間としては推奨範囲内です。

つまり、昼寝をするかどうかよりも、24時間の中で必要な睡眠を確保できているかが大切なのです。

推奨時間はあくまで目安です。睡眠の質や個人差も考慮する必要があります。

昼寝をやめるタイミングは、年齢だけでは判断できません。

子どもの日中の様子と、夜の睡眠の状態を合わせて考えることが重要です。

昼寝を続けた方がよいサイン

次のような様子が続いている場合は、まだ昼寝が必要な可能性があります。

  • 午後になると眠そうにしている
  • 夕方になると疲れて機嫌が悪くなる
  • 車やベビーカーに乗るとすぐ寝てしまう
  • 昼寝をしない日は夕食前に寝てしまう
  • 昼寝をすると、その後は元気に過ごせる

ただし、夕方の不機嫌や集中力の低下は、必ずしも睡眠不足だけが原因とは限りません。

空腹や疲労、生活環境なども影響するため、子どもの様子を総合的に判断しましょう。

昼寝を卒業してもよいサイン

一方で、次のような状態であれば、昼寝を減らしたり、やめたりすることを検討してもよいでしょう。

  • 昼寝の時間になっても眠そうにしない
  • 昼寝をしなくても夕方まで元気に過ごせる
  • 昼寝をすると夜の寝つきが悪くなる
  • 昼寝をしない日は夜に自然と眠れる
  • 夜間に十分な睡眠時間を確保できている

特に注目したいのは、昼寝が夜の睡眠に影響しているかどうかです。

昼寝をしない方が夜の寝つきがよく、翌朝もすっきり起きられるのであれば、昼寝を卒業する時期に近づいているのかもしれません。

無理に昼寝しようとしても、昼寝も夜も全然寝つかない……なんてことも。

昼寝には心身の疲れを回復する役割がありますが、昼寝が長くなると、夜の睡眠に影響することがあります。

日本の保育園児を対象とした研究では、2〜5歳の子どもにおいて、昼寝時間が長いほど、その日の夜の就寝時刻が遅くなる関連が認められました。

また、子どもの昼寝と健康について調べたシステマティックレビューでも、2歳を過ぎてからの昼寝は、夜の就寝時間の遅れや夜間睡眠の短縮と関連することが報告されています。

ただし、これらは主に観察研究であり、昼寝が直接の原因だと断定できるわけではありません。

昼寝によって夜の睡眠時間が短くなっても、1日の合計睡眠時間は十分に確保されている場合もあります。

そのため、昼寝をしていること自体を問題とする必要はありません。

夜の睡眠が妨げられている場合に、昼寝の長さや時間帯を見直すことが重要です。

昼寝をやめる場合も、突然すべての昼寝をなくす必要はありません。

子どもの様子を確認しながら、無理のない方法で調整していきましょう。

① 昼寝の時間を少しずつ短くする

これまで毎日2時間昼寝をしていた場合は、まず1時間程度に短縮してみる方法があります。

それでも夜の寝つきが悪ければ、さらに短くすることを検討してもよいでしょう。

ただし、昼寝を何分にするのが最適かについて、すべての3〜5歳児に共通する医学的な基準はありません。

昼寝を短くすることで日中の眠気が強くなる場合は、無理に減らさず、子どもに合う時間を探しましょう。

② 昼寝をしない日は就寝時間を早める

昼寝をしなくなると、夕方には眠気が強くなることがあります。

そのような日は、普段より30分~60分ほど早く寝る準備を始めるなど、夜の睡眠時間を確保できるように調整しましょう。

昼寝がなくなった分を、夜の睡眠で補うという考え方です。

反対に、昼寝をやめても就寝時間が遅いままだと、睡眠不足になってしまう可能性があります。

③ 昼寝をしなくても休憩時間は残す

昼寝を卒業したからといって、午後もずっと活動し続ける必要はありません。

例えば、昼食後に絵本を読んだり、静かな遊びをしたりする時間を設けるとよいでしょう。

眠くなければ無理に寝かせず、疲れていれば休める環境を整えることが大切です。

このような静かな休息時間は、昼寝から卒業する時期にも取り入れやすい方法です。

お出かけのときは車や電車での移動時間を休憩時間にするのもいいですね。

④ 生活リズムを整える

昼寝の有無にかかわらず、規則正しい生活習慣は良質な睡眠につながります。

特に意識したいのは、朝の起床時間をなるべく一定にすることです。

朝はカーテンを開けて日光を浴び、朝食を食べ、日中には体を動かす時間を確保しましょう。

夜は寝る前のテレビやスマートフォンなどの使用を控え、落ち着いて眠れる環境を整えることも大切です。

夜の照明を暖色にしたり、間接照明にしたりすると脳が睡眠モードに切り替わりやすくなります。

家庭では昼寝をしなくても、保育園では毎日昼寝をするという子どももいるでしょう。

特に、保育園で昼寝をした日は夜22時頃まで眠れないのに、休日は昼寝をせず20時30分には寝ている、といった場合は対応に悩むかもしれません。

このようなときは、まず保育園での昼寝時間と、家庭での就寝時間を確認しましょう。

昼寝の時間が長すぎる可能性がある場合は、保育士さんに相談することも一つの方法です。

実は、厚生労働省の「保育所保育指針」でも、昼寝の必要性には子どもの発達状況や個人差があるため、一律とならないよう配慮することが示されています。

もちろん、保育園には集団生活ならではの事情があり、すべての希望に対応できるとは限りません。

大切なのは、昼寝をやめさせるよう求めることではなく、子どもの睡眠状態について園と情報を共有することです。

例えば、次のように伝えると相談しやすいでしょう。

「最近、昼寝をした日は夜なかなか眠れないことが増えています。日中の様子を見ながら、昼寝の時間を少し短くすることはできますか?」

家庭と保育園が協力して、その子に合った生活リズムを考えていくことが望ましいでしょう。

「昼寝は脳の発達によいと聞くので、できるだけ続けた方がいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。

確かに、幼児期の昼寝と記憶・学習の関係については、さまざまな研究が行われています。

2025年に発表されたシステマティックレビュー・メタアナリシスでは、幼児期の昼寝には、学習した情報を記憶として定着させる効果があることが報告されています。

特に、普段から昼寝をしている子どもでは、昼寝によって学習内容を記憶しやすくなる可能性が示されています。

ただし、これは「昼寝をしない子どもの脳の発達が悪くなる」という意味ではありません。

研究で示されているのは、主に特定の記憶課題に対する昼寝の効果です。昼寝を続けることで長期的な知能や発達が改善するかどうかは、十分に明らかになっていません。

むしろ、成長とともに昼寝が必要なくなることは、睡眠リズムの自然な発達の一つと考えられています。

そのため、昼寝をしなくなった子どもに、脳の発達のためという理由で無理に昼寝をさせる必要はありません。

「寝る子は育つ」という信念があれば、昼寝に限らず、子どもの睡眠をより良いものにしたいですね。

3〜5歳の子どもでは、生活リズムの乱れや睡眠不足によって、日中に強い眠気が出ることがあります。

ただし、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中の眠気が強い場合は注意が必要です。

例えば、大きないびきをかく、睡眠中に呼吸が止まるように見える、何度も目が覚めるといった症状がある場合は、子どもでも睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れていることもあります。

また、睡眠の問題は眠気だけではなく、落ち着きのなさや集中力の低下として現れることもあります。

こうした症状が続く場合や、生活習慣を見直しても強い眠気が改善しない場合は、小児科などの医療機関に相談しましょう。

口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)やアデノイド(のどと鼻の間のリンパ組織)の肥大、肥満などが原因で気道が狭くなっていることがあります。

3歳・4歳・5歳の昼寝について解説しました。

子どもの昼寝は3〜5歳頃に徐々に必要なくなることが多いですが、卒業する時期には個人差があります。

3歳ではまだ昼寝が必要な子どもも多く、4歳頃から昼寝をしなくなる子が増え、5歳では昼寝をしない子どもが多数派になります。

大切なのは、昼寝をするかどうかではなく、1日を通して十分な睡眠がとれているか、日中を元気に過ごせているかということです。

また、昼寝によって夜の寝つきが悪くなっている場合は、昼寝時間の調整を検討しましょう。

昼寝を無理に続けさせる必要も、急いでやめさせる必要もありません。
お子さんの成長に合わせて、無理のない睡眠習慣を整えていきましょう。

参考文献・情報源

公的機関・ガイドライン

  • 厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド2023(2024年公表・一部修正)。3〜5歳の推奨睡眠時間、4〜5歳以降の昼寝の必要性について。
  • 厚生労働省:保育所保育指針(2017年)。午睡の必要性や時間について、個人差に応じた配慮を求めるもの。
  • Paruthi S, et al. Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations: A Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine. Journal of Clinical Sleep Medicine, 2016. 3〜5歳の1日10〜13時間という睡眠時間の推奨。
  • 米国国立心肺血液研究所(NHLBI):Sleep Apnea in Children(2025年更新)。幼児期の睡眠時無呼吸の症状と受診に関する資料。

医学論文

  • Staton S, et al. Many naps, one nap, none: A systematic review and meta-analysis of napping patterns in children 0–12 years. Sleep Medicine Reviews, 2020. 昼寝を卒業する年齢についてのシステマティックレビュー。
  • Komada Y, et al. Relationship between napping pattern and nocturnal sleep among Japanese nursery school children. Sleep Medicine, 2012. 日本の保育園児967人を対象とした、昼寝の頻度と就寝時刻の研究。
  • Thorpe K, et al. Napping, development and health from 0 to 5 years: a systematic review. Archives of Disease in Childhood, 2015. 昼寝と夜間睡眠、発達、健康との関連を検討したレビュー。
  • Souabni M, et al. Napping and memory consolidation in early childhood: A systematic review and meta-analysis. Sleep Medicine, 2025. 幼児期の昼寝が記憶の定着に与える影響についてのメタアナリシス。
  • Staton SL, et al. Mandatory Naptimes in Child Care and Children’s Nighttime Sleep. Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics, 2015. 保育施設の一律の昼寝時間と夜間睡眠の関連を調べた観察研究。

シェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Dr.流星 – 精神神経学会専門医。精神保健指定医。
現役の精神科医であり、父親として日々子育てに奮闘中。
日々子育てに関連のある医学論文を読み、「科学的根拠に基づいた育児」をテーマに、子どもの心と脳の発達、メンタルケアについて情報を発信しています。現役パパだからわかる子どもの発達に関するリアルな悩みに寄り添いながら、家庭で実践できるヒントも紹介。ガジェット好きでもあり、育児に役立つ家電や子育てグッズを色々と試しています。子育ての悩みを軽減し、家族のメンタルヘルスを良好に保つ…そんな子育てに役立つ知識をお届けしていきます。

目次